諸々を置く場所です。
最近では珍しいくらいまとまった数(といっても4つだけだが…….)のケモ映画を見てたので、感想を全部書いてみた。
とはいえ率直に言って、全体的に「映画としての」満足度はそんなに高くない。ブログとしてワンクッション置いているのをいいことに、好きな方が多いであろう作品への不満も遠慮なくぶちまけているので(特にズートピア2)、閲覧は自己責任で。不快になっても知りません。言ったからな。
猫ちゃんが船に乗ってポストアポカリプスな世界を旅する映画。かわいい。
評判通り、アニメーションのクオリティとバランスはとてもいい。圧巻と言って差し支えないと思う。人間の言葉を一切使わない作品だけど、適度なテンポでシーンが変わっていくので、退屈することなく世界観に没入できる。
多少のもやもやも残った。特に、こういうアニメーション表現で勝負する作品に凡庸なメッセージ・ストーリー性を埋め込んでしまった点。前半の動物たちにはまだ理解不能な獣くささがあったのに、冒険が進むにつれどんどん悪い意味で人間的になっていく。最終的に、これらの動物達の行動は、「仲間とともに危機を乗り越える」という凡庸なメッセージへと回収されてしまう。
これだけ徹底して「動物」を描いた作品に、なぜ「ハートフル」という人間の尺度を安易に持ち込んで、登場人物たちの動物性を抑圧してしまったのか。
「ケモノ」って感じの作品ではないけど、作画はとても綺麗だし、動きも精緻でかわいいので、見る価値はあります。
野生動物しかいない島の中で、ロボットがガンの子供を育てながら動物と仲良くなる話。キツネかわいい。
よくも悪くも「普通」のおとぎ話。完成度は高く、迫力のあるアニメーションと、テンポ良く進むストーリー展開が気持ちいい作品。込められたメッセージも王道。割と聞き取りやすい英語で話されているため、自分は英語で映画を見ているという愉悦に浸りたい僕みたいな人にもおすすめ。キツネかわいい。
これしか書くことがないくらい、「普通に」ちゃんとした「普通の」作品。寓話が好きな方には迷いなくおすすめ。あとマジでキツネを見てくれ。いいキャラしてる。全体的にケモ感の濃い作品ではないけど、こいつだけは人間を落とせるはず。
予告編を見た時点で「お、異種婚か? 異種婚なのか???」と内心盛り上がり、上映前から楽しみにしていた僕を尻目に興行的に大失敗、ネットを中心に全国からの嘲笑に晒された伝説の作品。
人魚と人間の青年が結婚する話。一番よかった点として、とにかくアニメーションの質がものすごい。静的な安定性(要するに、一枚絵を見たときの自然さ)を基本とする描き方ではない「動」を重んじる作画で、Flowよりもさらに感銘を受けた。巷で騒がれるキャラクターデザインの「キモさ」を気にせず映画館に足を運べたのは、僕の審美眼が興行収入とYouTubeの評判動画でアニメの質を判断するネット依存者ほど腐り落ちていないから僕の中でいわゆる21世紀の深夜アニメ風の、キャラクターデザイン中心的な作画を絶対視していないからだと思う。
ストーリーは平凡すぎるほど平凡だけど、細かい伏線は丁寧。Flowでも書いたけど、過度に情動を誘うストーリーやメッセージ性は、アニメーション表現にとっては「ノイズ」にもなりうる。このあたりは敢えて割り切られたのだと思うし、奇妙なキャラデザ含め、制作陣もそのくらいのことは考えていると思う。
一番の不満点は音響。主観的すぎて自信ないけど、他作品と比べると音量バランスが洗練されていない印象を受けた。総じて多少人を選ぶのは否めないけど、これだけのアニメをよりにもよってネットのオタク共が率先して笑い飛ばして終わってしまったのはあまりに惜しいと思う。今回紹介する4作の中では最高評価。
今年一番「ケモ」欲を満たしてくれる作品でした。ありがとうディズニー。トラダンサーがいかがわしすぎるという感想を見ましたが、その通りだと思います。あれは本当にまずい。
ケモナーとして、ニクジュディの絡みを見に行かねばと思っていたのも事実だけど……ご存知の通り、初代ズートピアは決して「安全な」作品ではなく、今日の社会ではかなり敏感なテーマを(婉曲的に)取り扱った論争的な作品でもある。そんな作品の約10年越しの続編であるズートピア2において、果たしてどのように「社会」が描写されるのかも気になっていた。
で、いざ見てみたら、初代作品で緻密に描かれた社会の複雑さ、難しさのようなものは綺麗に取り除かれ、「差別の背後には巨大な陰謀があって、それさえ打ち倒せば万事解決する」という安直な描写(≒陰謀論)が全面的に展開されていた。爬虫類(=人種的マイノリティ)への差別の裏に非現実的な陰謀が存在することからはじまり、その陰謀が、警察というよりは「突然何かに目覚めて暴走したウサギ」とでも言うべき存在によって暴かれ、その後たったの紙切れ1枚で社会に100年間くすぶり続けた遺恨が終わり、みんな仲良しになるという展開まで、何もかも軽薄でご都合主義。
どうしてこうなったのか。それは、前作が「ズートピアの中にいる2匹を中心に描かれた作品」だったのに対して、本作は「ニックとジュディのためにズートピアという舞台装置を用意した作品」だからだと思う。本作において一番個性的な悪役であろうパウバートすら、その熱情や葛藤はほとんど深堀りされず、最後まで「単なる悪役」だった。これは今作において、悪役の存在も差別の存在もズートピアという世界観も、すべてがニックとジュディをはじめとする「前作からの伏線や魅力的なキャラクター達」を描くための装置であり、そこから逸脱する描写は蛇足でしかなかったからだろう。パウバートはケモナーの間でも人気が出たが、映画における大きな「欠如」の補填がオタク的想像力によってなされたということでしかない。
いや……なんだろうこの、「社会問題」の方は前作をさらに超えて、やりすぎなまでに人間社会らしく生々しく描かれているのに、それが描かれる土台である「社会」の方は全く現実離れしちゃってるこの感じ。この映画が「ニックとジュディという人気キャラがわちゃわちゃしながらでっかい問題を解決する勧善懲悪のエンタメ」としての質のみ世界に問うている作品ならこんな無粋は文句を言うつもりはない。けど、そうじゃないでしょう。
総じて、アニメーションはさすがのクオリティで、バディの仲違い等も中々見応えがあったし、とにかくエロかったので、僕の感想は、「ケモナー向け前作のファン向けスピンオフとしては良作だけど、ひとつの映画としては全くよいと思えなかった」というアンビバレントなものになる。
……ちなみにズートピアはディズニーの作品だが、来春はピクサーが超巨大なケモ爆弾を用意しているという。今から期待しかない。
ただのドキュメンタリー。イタチが無限にかわいい。半野生の世界をそのまま映し出した作品なので、普通に動物が死ぬ。ケモナーではなくドキュメンタリー好きにおすすめ。